Thu, 27 April 2017
リビングバイブルは、普段私たちが読んでいる本に近い感覚ですんなり読める、意訳された聖書です。リビングバイブルが分かりやすいなら、それを使えば良いのでは? と思ってしまいますが、教会でリビングバイブルではなく、新改訳などが主に使用されるのには、それなりの理由があるようです。さっそく見てみましょう。 もっと詳しく知りたい方は
まだどの訳の聖書も読んだことがないという方のために、例としてヨハネの福音書1:1〜2を並べてみます。 【新改訳】 1初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。2この方は、初めに神と共におられた。 【リビングバイブル】1+2 まだ何もない時、キリストは神と共におられました。キリストは、いつの時代にも生きておられます。キリストは神なのです。 著者ヨハネはギリシャ語でこの文章を書きました。新改訳で訳された「ことば」の原文はギリシャ語で「ロゴス」です。ギリシャ哲学には、ロゴスに理性と言葉という2つの意味があり、メシアは神のイデアー理想的な形ーである、言葉は神の表現であるということ、そして当時のユダヤ教のラビが使っていたアラム語で、言葉と神を示す「メムラ」という単語も、ヨハネが「ロゴス」で三位一体の神を表現したことに関係しています。 「ことば」をキリストと訳せば文章の意味はわかりやすいのですが、聖書研究をするには、ロゴス=「ことば」の訳の方が、深い理解へ導いてくれるという一例でした。
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